大量の残置物と劣化に悩まされた空き家を、人気民泊へ再生

■ 概要

  • 所在地:大阪府高槻市 出口町
  • 種別:木造2階建て(築約54年)2025年6月現在
  • 工事種別:空き家再生・民泊への用途転換
  • 用途変更:居住用空き家 → 簡易宿所(民泊)
  • 施工内容:残置物の撤去、屋根修理、外壁塗装、内装全面改修、水回り設備一新、家具家電設置、消防・保健所対応、隣家からの蔦撤去ほか
  • 施工期間:約2ヶ月
  • 居住用だった築古空き家を、訪日観光客にも対応可能な合法的な民泊施設へと再生しました。

■ Before(改修前の状態)

この物件は長年空き家となっており、状態は深刻でした。

  • 家具・本・什器・衣類などの生活用品がそのまま大量に残された状態
  • 整理されておらず、カビやホコリまみれで悪臭も発生
  • 屋根からの雨漏れにより、天井・壁にシミや腐食
  • 湿気による部屋全体のカビの蔓延
  • 左隣から越境してきた蔦が外壁を覆い、建物の劣化を加速
  • 外壁は色褪せと汚れが目立ち、見た目の印象も悪化
  • キッチン・浴室などの設備は老朽化し、使用困難

長年手つかずだったこの空き家は、まさに「時間と自然に見放された家」でした。
それでも、職人の手で再び命を吹き込むことは可能です。

■ After(改修後の変化)

「空き家を、泊まりたくなる“魅力ある宿”へと再生しました」

  • 家具・書籍・衣類など大量の残置物を分別・撤去・処分
  • 屋根の修理と防水強化で雨漏れを完全に解消
  • 蔦を根から撤去し、外壁の健全性を回復
  • 外壁を塗装し直し、美観と防水性能を向上
  • カビ対策を徹底し、天井・壁・床をすべて新しく
  • キッチン、トイレ、浴室、洗面台をすべて新品に
  • 家具・家電を新たに設置し、宿泊施設として整備
  • 消防・保健所の申請にも対応し、合法的な民泊施設としてAirbnb・Booking.com人気宿として運営中

■ 写真ギャラリー

  • 雨漏れ・シミだらけの天井 → ウッド調の明るい天井へ改修
  • 残置物で埋もれていた和室 → スッキリとした宿泊空間へ

■古びた浴室 → 新設されたユニットバス

🔻 タイル張りの在来浴室を解体

もともとはタイル張りの在来浴室で、冬場は冷たく滑りやすく、老朽化も進んでいました。
今回の改修では、ユニットバスへの全面的な入れ替えをご提案。
写真は、既存のタイル壁と床をすべて撤去し、構造をあらわにした状態です。

タイルの壁と床を斫り取ったところの写真です。

🔻 断熱材をしっかり施工

壁内には**グラスウール断熱材(アクリア)**を隙間なく充填。
これにより、冬場の冷え込みや夏場の熱気の軽減につながります。
宿泊施設としての快適性にも直結する、見えない部分の大事な施工です。

🔻 採用した設備について

今回採用したのは、**Panasonic製 AWEシリーズ(1116サイズ)**のユニットバス。
狭小住宅にも対応可能なサイズながら、断熱性・清掃性・デザイン性に優れた製品です。
浴室暖房乾燥機や手すり、収納棚など、宿泊者目線で使いやすい仕様に整えました。

🔻 完成後の印象

木目調のアクセントパネルが温かみと清潔感を演出し、
かつての「冷たいタイル風呂」とはまったく異なる、
安心してくつろげる浴室空間へと生まれ変わりました。

💡ポイント整理

施工内容目的・効果
在来浴室の解体水漏れリスク・断熱性能の改善
グラスウール断熱材快適性向上・宿泊者満足度の確保
Panasonic AWE採用狭小対応・高機能・高耐久のバランス
木目アクセント清潔感+温かみのある内装演出

■蔦が覆っていた外壁 → 塗装後の清潔感ある外観

🔻 蔦に覆われた外壁 → 塗装後の清潔感ある外観

隣家から伸びた蔦が本物件の外壁を完全に覆い尽くし
見た目の印象だけでなく、建物の劣化も進んでいました。
屋根の上まで到達するほど繁茂しており、日常的なメンテナンスも難しい状態でした。

🔻 蔦撤去後に外壁塗装を実施

まずは蔦の完全撤去と外壁の洗浄・下地補修を行い、
そのうえで外壁を落ち着いた明るい色で塗装仕上げしました。
今では通りからの印象も良くなり、清潔感のある外観へと生まれ変わっています。

🔻 外構もあわせてバリアフリー化

玄関前の土間は、ブロック塀とコンクリートの段差が大きく、使いづらい状態でした。
段差を撤去し、緩やかなスロープ形状に造り直すことで、
キャリーバッグや車椅子でも出入りしやすい、より安心・安全な外構に整えました。

🔻 ビフォー → アフター

施工前は「雑草と段差と傷んだ外壁」でしたが、
現在は民泊として迎える側の表情を持つ、清潔で整ったファサードに仕上がっています。

✨ 特徴まとめ

改善内容目的・効果
蔦の撤去建物保護・外観改善
外壁塗装清潔感・印象改善・防水性能の向上
土間の段差解消バリアフリー対応・宿泊者の利便性向上
全体の印象変化「放置された家」→「迎える家」への印象転換

■内装

🔻 壁・床の改修

既存の和室は、畳の劣化と古臭い綿壁が目立っていたため、
畳はすべて撤去し新調、壁は綿壁の上からベニヤ板を重ね貼りして下地を整えました。
仕上がりでは、継ぎ目も目立たないよう丁寧に施工しています。

隙間なくクロス下地のベニヤを張り終えた所です。

🔻 天井裏の断熱工事とトラブル

天井裏には断熱材が一切入っておらず、
真夏の熱がこもりやすい状態だったため、
グラスウール断熱材を隙間なく敷き詰め、室内の快適性を確保しました。

ただし作業中に屋根裏でバランスを崩し、
隣室の天井をうっかり踏み抜いてしまうトラブルも…(苦笑)。
もちろん、その部分もしっかり補修済みです。

🔻 天井板の貼替え

天井板には広範囲のシミがあり、雨漏りの影響も見られました。
そこで、既存のイナゴ天井は全面的に張り替え
木目の美しさと明るさを感じられる仕上がりに整えました。

🔻 和室としての再生

新調した畳のい草の香りが室内に広がり
清潔感のある、落ち着いた和の空間として生まれ変わりました。

キッチン

🔻Before(改修前の様子)

既設のキッチンは、昔ながらの公団用ブロックキッチンでした。
お湯は壁掛けの瞬間湯沸かし器でまかなっていましたが、今回は給湯設備を新たに整えるため、
配管をやり直し、瞬間湯沸かし器は撤去しました。

🔻施工中(下地〜仕上げ前)

壁には今回、耐水性・デザイン性を兼ね備えたダイノックシート仕上げを採用。
仕上げ前にはパテ処理による下地調整を行い、丁寧に施工しています。

🔻After(完成後)

新しく採用したのは、Panasonic AWEのMXシリーズキッチン
従来は壁からむき出しで出ていた水栓を撤去し、
床下配管でビルトイン水栓に変更することで、見た目・機能ともに現代的な仕様に一新しました。


■ 山下より

「正直、初めて中を見たときは“これはかなり手ごわいな”と思いました。

家具や本がそのままで足の踏み場もなく、カビ臭と雨漏れ、蔦まで…。

でも、そういう家こそ、手を入れる価値があります。

空き家は“ゴミ”ではありません。“手をかければ再び生きる資源”です。

今ではこの場所が、旅人に選ばれる“あたたかみのある宿”として、また新しい役割を果たしています。」

まずは相談だけでもどうぞ072-662-0620受付時間 9:00-20:00

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